日記帳

2023-10-08 15:00:00

琉球染織の旅 〜 美ら布をもとめて 久米島紬編 〜

旅の最後は沖縄県の離島の一つ久米島へ

重要無形文化財 久米島紬の産地です

IMG_2231.jpeg

 

海がとっても綺麗でダイビングスポットとしても有名です

 

久米島紬は日本の紬の発祥の地ともいわれ

沖縄本島・奄美大島を経て日本全国に紬絣の技法が伝播されていきました

IMG_2245.jpeg IMG_2352.jpeg

久米島紬は全て手作業で

反物になるまでの作業を一貫して一人の織子さんが行います

分業で制作されることの多い着物ですが

久米島紬は伝統を踏襲し全ての工程を1人の織子さんが担います

 

デザインに合わせて絣を括り糸を草木や泥で染めます

IMG_2310.jpeg IMG_2309.jpeg IMG_2308.jpeg

 

泥染に使用する泥池は久米島の中で1箇所しかないそうです

農薬が入らない様にサトウキビ畑から離れた場所にある泥池

IMG_2345.jpeg IMG_2344.jpeg

ボートに泥を入れて袋に入れて採集されます

 

ちょうど糸染めをされているところを見学させていただきました

FullSizeRender.jpeg IMG_2327.jpeg

何度も繰り返し染液の中に入れて染め出します

こちらはグール(オキナワサルトリイバラ)から染め出される茶褐色系の色です

IMG_2322.jpeg IMG_2325.jpeg

絣括りしているところには染まりません

 

IMG_2238.jpeg IMG_2254.jpeg

 

 

 

久米島の天然の草木からは様々な美しい色が染め出されます

IMG_2253.jpeg IMG_2252.jpeg

実際に拝見した工程はほんのごく一部分でしたが

この全工程を全てお一人で行うということに久米島紬の魅力がぎゅっと詰まっていると感じます

IMG_2300.jpeg IMG_2293.jpeg

やっと機に糸がかかる頃には作業も終盤です

IMG_2297.jpeg IMG_2298.jpeg

大きな柄はかつて位の高い方が着ていたそうです

 

久米島紬は織り上がって終わりではありません

きぬた打ちをして織物を整えます

IMG_8635.jpeg

最後のきぬた打ちはとても緊張する作業だそうです

天候も重要ですしほこりなどのゴミが付かないように最新の注意をして

約120回を5セットから6セット叩きます

最後にしてかなりの重労働です

私も実際に持たせていただきましたがかなり重い杵で叩きます

 

そして最後に組合で厳しいチェックを終えてやっとのことで

制作者の想いのこもった素晴らしい久米島紬が誕生します

IMG_2282.jpeg IMG_2284.jpeg

 

制作のお話を伺ってからはもう久米島紬が愛おしくて

思わず反物を抱きしめたくなるような思いでした

 

1年のうちに織り上がる久米島紬は年々少なくなり稀少な織物になりつつあります

デザインも織子さんのイメージで全て制作される為色や柄も様々

IMG_8593.jpeg IMG_7891.jpeg

 

今回の美ら布展でも数点ご用意が出来ました

是非実際にご覧になって織り手の方の想いを感じてみて下さい

 

この度見学させて頂いた紅型・首里織・読谷山花織・久米島紬の他

宮古織・南風原花織・芭蕉布などもご用意致しました

沖縄の美術館にいる様な見事なお品ばかりです

是非ご期待くださいませ

 

琉球染織 美ら布展

令和5年 10月11日(水)〜14日(土)

IMG_8126.jpeg IMG_7981.jpeg