日記帳
バティック布を名古屋帯に
お客様がお持ちになられた
お洒落なインドネシアのバティック布
巾 111cm 長さ 198cmの大きなサイズです
こちらを名古屋帯にお仕立てされたいとのご相談を承りました
名古屋帯は芯入りのお仕立ての場合
巾:9寸(約34cm)
長さ:9尺5寸(約360cm)以上は必要となります
こちらのバティック布は縦に3等分で巾も長さも十分に足りそうです!
ベテランの帯の仕立て屋さんが柄の出方を考えながら
見事に名古屋帯にお仕立てして下さいました˖ ࣪⊹
繋ぎ目もほぼ見えない
お太鼓柄も前柄も100点満点の素敵な帯が完成です‧˚✶
地紋も際立ち紬の着物と相性抜群のお洒落な名古屋帯に大変身!
バティック布やタイシルクなどの大判の布は
名古屋帯にお仕立てが可能です
お気軽にご相談くださいませ
琉球染織の旅 〜 美ら布をもとめて 久米島紬編 〜
旅の最後は沖縄県の離島の一つ久米島へ
重要無形文化財 久米島紬の産地です
海がとっても綺麗でダイビングスポットとしても有名です
久米島紬は日本の紬の発祥の地ともいわれ
沖縄本島・奄美大島を経て日本全国に紬絣の技法が伝播されていきました
久米島紬は全て手作業で
反物になるまでの作業を一貫して一人の織子さんが行います
分業で制作されることの多い着物ですが
久米島紬は伝統を踏襲し全ての工程を1人の織子さんが担います
デザインに合わせて絣を括り糸を草木や泥で染めます
泥染に使用する泥池は久米島の中で1箇所しかないそうです
農薬が入らない様にサトウキビ畑から離れた場所にある泥池
ボートに泥を入れて袋に入れて採集されます
ちょうど糸染めをされているところを見学させていただきました
何度も繰り返し染液の中に入れて染め出します
こちらはグール(オキナワサルトリイバラ)から染め出される茶褐色系の色です
絣括りしているところには染まりません
久米島の天然の草木からは様々な美しい色が染め出されます
実際に拝見した工程はほんのごく一部分でしたが
この全工程を全てお一人で行うということに久米島紬の魅力がぎゅっと詰まっていると感じます
やっと機に糸がかかる頃には作業も終盤です
大きな柄はかつて位の高い方が着ていたそうです
久米島紬は織り上がって終わりではありません
きぬた打ちをして織物を整えます
最後のきぬた打ちはとても緊張する作業だそうです
天候も重要ですしほこりなどのゴミが付かないように最新の注意をして
約120回を5セットから6セット叩きます
最後にしてかなりの重労働です
私も実際に持たせていただきましたがかなり重い杵で叩きます
そして最後に組合で厳しいチェックを終えてやっとのことで
制作者の想いのこもった素晴らしい久米島紬が誕生します
制作のお話を伺ってからはもう久米島紬が愛おしくて
思わず反物を抱きしめたくなるような思いでした
1年のうちに織り上がる久米島紬は年々少なくなり稀少な織物になりつつあります
デザインも織子さんのイメージで全て制作される為色や柄も様々
今回の美ら布展でも数点ご用意が出来ました
是非実際にご覧になって織り手の方の想いを感じてみて下さい
この度見学させて頂いた紅型・首里織・読谷山花織・久米島紬の他
宮古織・南風原花織・芭蕉布などもご用意致しました
沖縄の美術館にいる様な見事なお品ばかりです
是非ご期待くださいませ
琉球染織 美ら布展
令和5年 10月11日(水)〜14日(土)
琉球染織の旅 〜 美ら布をもとめて 読谷山花織 〜
つづいては読谷村にある読谷山花織の工房へ伺います
刺繍を施した様に見える浮き織り
花柄を組み合わせて作られる柄が特徴的です
こちらは裏側から見た花織の帯
海が見える工房で織られています
竹串を用いて織る「ぐうしばな」
手ですくいながら織る「てぃばな」
ちょうど機にかかっていたもうすぐ織り上がるというこちらの読谷山ミンサーの半巾帯
近年では生産数が少なく新作はなかなか出回らない珍しいものです!
織り手の方ともお話させていただき山正に頂けることになりました
2反制作されたうちの1反はこの夏売れてしまいましたが
最後の1反は今回の美ら布展でもご覧いただけます!
本当は自分で締めたい読谷山ミンサー、、
色合いも渋めで格好良く
紬に合わせて着たい半巾帯です
つづく
琉球染織の旅 〜 美ら布をもとめて 首里織編 〜
琉球染織の旅
つづいては首里織 山口良子さんの工房へ
美しい艶やかな絹糸が機にかかっています
織り目の美しい山口さんの首里織はファンの方も多く
植物染めの優しい色合いは山口さんのお人柄が表れているようです
こちらは月桃の実 薄いピンク色が染め出されます
全て植物染めで制作なさっている山口さんの首里織
手元に残していた碑文谷八幡宮の染井吉野で染めて頂けないかをご相談すると
快く快諾して頂きました
2年前の秋
碑文谷八幡宮の桜を植え替えるとのことで枝を分けて頂きました
昨年 碑文谷八幡宮の桜で染めた着物 平和の桜展 として発表した際に
手元に保管していた分の枝をこの度全て山口さんにお送りしました
桜の枝を細かく砕いて染料にします
この桜をもって最後の碑文谷八幡宮の桜染となります
この度の美ら布展のメインビジュアルになっている画像が
山口良子さんの首里織 碑文谷八幡宮の染井吉野染です
なんとやわらかく綺麗な灰桜色に染めて頂きました
是非実物の色合いをご覧くださいませ
つづく
琉球染織の旅 〜 美ら布をもとめて 紅型 玉那覇工房編 〜
旅の始めは玉那覇紅型工房へお邪魔致しました
女将のコーディネートは
読谷山花織の着物に玉那覇さんの帯です
染の工程を見学させて頂きます
貴重な型紙の数々を拝見
女将が締めている帯の型紙もありました!
山正秘蔵品 人間国宝玉那覇有公さんの抱瓶柄の型紙も見せて頂きました
工房見学中に1枚の図案に女将の目が釘付けになります
こちらは魚籠の柄です
可愛い魚たちと共にオールやミーカガンと呼ばれる水中眼鏡が描かれています
女将の琴線に触れたこちらの柄で山正別注の帯を制作して頂くことに!
型紙を色々と拝見しながら沖縄の海にちなんだ楽しい柄を選びました
お太鼓には魚籠 前柄にはヤドカリとカワハギを配置し
関東巻き・関西巻きの両方で楽しめるようにいたしました
完成品は美ら布展でお披露目いたしますので是非ご期待下さいませ!
緻密な型紙はため息が出るくらい素晴らしい芸術品です
間近で拝見し眼福でございました
玉那覇さんお忙しいところありがとうございました!
つづく